■-七十周年への歩み-■7ページ/7ページ
                                      園長 保泉欣嗣
70周年
特別コラム
シリーズ第1回
「ちるどらんど」
2005年12月号より
  いつの世も、朝の時間に追われる保護者にとって子どもの登園、それぞれの職場へと、貴重な時間帯での家事の消化は大変な負担でもあります。一昔前には子どもたちは皆、当然に手作り弁当を持参して登園しました。保育園の給食習慣が充実したことで保育と食育の共育が、今日の園生活の基調となって既に久しく、行政の施策支援が有効に機能していると考えられます。
 一方で、子どもたちの生活習慣も変わってきました。遊び場所と近所のお友達との交わりが、最たる様変わりの特徴といえるでしょう。戸外の広場や公園、野原での遊んでいる様子は見られません。現代っ子たちは家の近所のお友達との共友もなくなりました。童謡の「夕焼け小焼け」に、♪〜子どもが帰った後からは、まーるい大きなお月様〜♪と、夕方まで子どもたちが、家路を忘れて遊びに夢中になっていた時代も今や遠い昔の情景になりました。遊び場所は屋外から屋内へと、TVを見たりゲームを楽しんだり個人個人で子どもたちの過ごし方に変化が生じました。生活習慣の変化によって、マイナス効果も現れています。上下の友だちとのコミュニケーションが薄れたことと、飛んだり跳ねたり走ったりして、身体を動かすキッカケも無くなりました。このような変化は子どもたちの成長の過程で、果たして影響を及ぼしていないだろうかと、体格の向上と基礎体力の低下の不一致を、日常生活で改善していかねばなりません。その改善策は戸外での活動であり、積極的に自然界に親しむ動機を私たち大人が与えてあげる努力が必要とされます。過去半世紀における飛躍的な文明の発達過程で、子どもたちの心の変化が表情に現れのを保育生活の中にも見られます。豊かな表情を育む保育、それは一朝一夕には育成されません。生命の尊さ、ものの哀れさ、喜怒哀楽、無常感といった情感を子供時分から備えて成長してほしいと願っています。
 これからも児童の保育と食育、体力の成長と発達に努めます。その反面、ひ弱でケガをし易いお子さんが多くなっている状況も、私たちの見過ごしてはならない現実の課題であると認識しています。
 近年、災害も多く、また、小児を取り巻く犯罪も頻発している不安定な社会が憂慮されます。ともあれ保育園生活が安心、安全でありますよう最善の努力を傾けることが私たちの責務であると思っています。

                        -(完)-


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